私が韓国ドラマを初めてみたのは小学1年生の時に見た「天国の階段」でした。
小学生がみるのには重すぎる話の展開さにこんな悲惨な人たちが世の中にはたくさんいるのだなと驚いた記憶があります。
今思うとどんなに重いストーリーであったか、小学生の私が理解できたのか不思議に思います。
このドラマのウィキペディアの概要ではでは
「交通事故」「記憶喪失」「禁断の愛」「病魔」と韓国の定番となる全ての要素が取り込まれた作品だ。
と書いてあります。
このドラマは本当にこの要素が重なっていく大変悲劇的なドラマなのですが、確かに考えてみれば、韓国ドラマにはこの4つの要素の中の最低1つは物語のなかに含まれているような気がします。
なので、韓国ドラマというと 悲惨すぎる、重すぎるストーリーというイメージがある人が多いのではないでしょうか?
2002年の「冬のソナタ」ブームから火がついた韓流ブーム。
韓国ドラマブームと言われその時は、多くの韓国ドラマが日本で放送されました。
「天国の階段」「冬のソナタ」「チャングムの誓い」
これら3つは日本では大人気となりました。
どれらも悲劇的なドラマですよね。
禁断の愛、家族の複雑さ、事故による意識不明など、、1つの物語にいくつ悲劇が続くんだと言うほどの悲劇ストーリーですよね。
そこから一時韓流ブームは終わりますが、韓国ドラマはそれからもずっと日本に流入されてきました。
ごく最近のドラマでもやはり韓国ドラマらしいストーリー展開になっており、もはや韓国ドラマの中では定番化されています。
イ・ミンホ主演の「相続者たち」。
財閥の御曹司でありながら、異母弟という事を隠し、孤独と戦う。父親が病に倒れ、義母の裏切りにより父親と義母が後継者争いをして株主総会で戦う。主人公は住み込みの家政婦で姉に金を奪われ貧困に。
NETFLIX「恋するアプリ」。
主人公は両親が自殺でなくなっており、母親の姉に引き取られ奴隷のように働かせられる。ある男の子は金持ちの家に生まれたが、母親の愛を受けずに孤独に育つ。その男の子の親友は片親で、その金持ちの家に母が住み込みで家政婦として働いている。
最近のドラマでも確かに韓国ドラマらしさが出ていますよね。
しかし私がここで言いたいのは最近の韓国ドラマでは、重いストーリー展開が少なくなってきているということについてです。
韓国ドラマの定番要素である「交通事故」「記憶喪失」「禁断の愛」「病魔」。
まず、これらがあまり、話に含まれていません。
先ほどお話しした「相続者たち」や「恋するアプリ」にもこの4つの要素が該当しないのです。
確かにストーリーとしては日本にはない複雑な家族設定や暗い過去、財閥などの要素があるが、昔の韓国ドラマに比べたら、そこまで重くないような気がしませんか?
私はこの韓国ドラマが重くなくなっているわけは、Web漫画原作のドラマが増え、またそのドラマがヒットしていることにあるのではないかと思っています。
韓国で少し前にヒットして話題となった「恋はチーズ・イン・ザ・トラップ」。
2016年に放送されたこのドラマは世界で11億PV超の大人気のWeb漫画が原作のドラマになっています。
あらすじとしては、
平凡な女子大生・赤山雪は、ある日容姿端麗・頭脳明晰で皆から慕われている完璧王子・青田淳の冷徹な本性に気づいてしまう。それからというもの、淳に嫌がらせを受けるようになった雪は、大学を休学しようと決意。すると突然、淳は雪に甘い笑顔を見せるようになり……。
という一見少女漫画のようなストーリーなのですが、大学生生活の日常が中心の話となっていて、韓国大学生あるあるを上手く取り入れたことでドラマは大ヒットとなりました。
大学生日常を中心にしているということで本当に1人の大学生の学生生活の日常の中に起こる出来事についてのストーリーということでほとんど悲劇的な重いストーリー展開にならず、話が進んでいきます。
(しかしこのドラマは重苦しくないストーリーではないが、大学生の日常の現実には起こりえないことが起きるドラマだったりします笑)
このドラマはこの頃あまりなかったWeb漫画原作のドラマとして大ヒットしました。
そしてこのドラマのヒットをきっかけに、Web漫画原作のドラマが多く作られるようになりました。
まず先ほどお話しした「恋するアプリ」。
実はこれも大人気Web漫画が原作となっています。
パク・ソジュン主演の「キム秘書はなぜそうか」。
この原作漫画は現実離れした内容と絵の可愛さから女の子から大人気の漫画でした。
そして直近の作品でいうと今大人気の「梨泰院クラス」。
こちらも大人気Web漫画が原作となっており、漫画を忠実に再現したという事で原作ファンも好評の今、韓国、そして日本で大人気の作品ですよね。
このように最近のヒットドラマにはWeb漫画原作のものが多いのです。
やはり漫画というと、身近な日常が舞台になっており、ラブコメといっても純粋で単純な話が多いと思います。
なのでそれに伴ってWeb漫画原作のドラマもそういったドラマになっていくのだと思います。
これが良いのかといわれれば、わかりません。
韓国ドラマファンとしては個人的には韓国ドラマ特有の重いストーリー展開が好きなので、難しいところではあります。
しかしどのドラマも完全に韓国ドラマらしくないというほど、物語が単純になっているというわけでもありません。
なので韓国ドラマの良さを残しつつも、すこし悲劇的要素を軽減して、重苦しいようなイメージのある韓国ドラマが苦手という人も見やすくなっていっているという点では良いのではないかと思います。
日本の現在の「梨泰院クラス」ブームにおいても、やはり韓国が好きな人に限らず多くの人に観られているということは、最近のこういった重苦しさ軽減で観やすくなっているというという傾向が反映されているのではないかと思います。
なのでこの「梨泰院クラス」ブームをきっかけに、韓国ドラマの他の作品を観てみたりして、韓国ドラマの魅力にハマっていく人も多くいるでしょう。
このように、今起きているこの韓国ドラマのこの傾向は、韓国ドラマの大衆化をうみ、今後の韓国ドラマブームを加速させていくでしょう。