韓国ドラマの代表作、「トッケビ」。
このドラマは初回放送からチャンネル歴代視聴率を更新し、最高視聴率20.5%を記録、そして2017年1月「韓国人の一番好きなテレビ番組」で一位になるなど韓国で社会現象を巻き起こした作品だ。
そんな韓国人の心を鷲掴みした作品「トッケビ」。感想・レビューです。
概要とあらすじ
- タイトル:쓸쓸하고 찬란하神 - 도깨비
- 脚本・演出:キム・ウンスク、イ・ウンボク
- キャスト:コン・ユ、キム・ゴウン、イ・ドンウク、ユ・インナ、ソンジェ
- 放送局:tvN
- 韓国初回放送:2016年12月2日
- 配信媒体:NETFLIX、Hulu
- 全16話
- あらすじ
幼いころより幽霊がみえる女子高生チ・ウンタク(キム・ゴウン)はある日”トッケビ”(コン・ユ)と出会い自らがトッケビの花嫁であることを知る。そのトッケビは高麗時代に謀反の冤罪で処刑された武将キム・シンがこの世に想いを残すあまり剣が刺さったまま現世に留まっておりトッケビの花嫁のみがその剣を抜くことができる。しかし剣を抜くということはトッケビがこの世から消えることを意味する。そんな運命にあるチ・ウンタクとトッケビの愛の物語。
主な登場人物
- トッケビ、キム・シン(コン・ユ):呪いをかけられ939年の時を生きる高麗の武臣。
- チ・ウンタク(キム・ゴウン):トッケビの呪いを解くことができる唯一の存在”トッケビの花嫁”。
- 死神:自分の名前や過去の記憶を全て抹消された死神。
- サニー:ウンタクのアルバイト先のチキン店の社長。
- ユ・ドクファ:トッケビの家臣の末裔でチョヌ財閥の御曹司。
見た感想
このドラマ、最初はファンタジー要素が強すぎて、意味がわからなくて、全くみる気がなかった。
しかし観てみたらどハマり。
ただのファンタジー物語だと思ったら大違いのドラマでした。
前半は少しファンタジー観に違和感があってついていけなかったのですが、みていくほどに物語の世界に引き込まれていきました。
親のいない高校生チ・ウンタクと900年呪いのため1人生き続けるトッケビという2人の孤独な男女が運命に引き寄せられます。
しかし、それは幸運でありながら、悲劇でした。
神は永遠の幸せを与えず、2人は様々な運命に狂わされていきます。
またそんな2人以外にも運命に狂わされていく周りの人々。
死神とサニーも運命、悲劇の出会いを迎えます。
幸せに生きられない未来は、とても悲劇的でした。
しかし、とても切ない物語だけれど、トッケビとウンタクの純愛に、なぜか見終わったあとは幸せな気持ちになりました。
またストーリーの中にコミカルなシーンもあったりして、、
トッケビと死神、そしてドクファの3人の掛け合いが本当に面白く、そして3人の友情には胸の熱くなる場面もたくさんありました。
ファンタジー系というと後半になるにつれて、設定がブレたり、あやふやになったりすることが多く、私はあまり好きではなかったのですが、このドラマは最後までこちらの予想を裏切らないし、そうと思いきや最後の最後に予想を裏切られてラストは何度見ても大号泣。
最後まで目がはなせませんでした。
しかしこのドラマ、生と死に関する描写が多く、深いメッセージ性のあるドラマだったと思います。
今生きていることがどれだけの奇跡なのか、好きな人と死ぬまで添い遂げられることの幸せをしみじみ感じさせてくれる、わたしの人生のドラマになりました。
このドラマが、韓国で大流行した意味がよくわかりました。このドラマを好きな人は皆素敵な人だと確信できるくらいの本当に心温まる深いドラマでした。これは韓国ドラマ史上の名作といってもいいでしょう。
このドラマの見所
傑作というべき脚本の素晴らしさ
このドラマはまずとにかく脚本が素晴らしいです。
このドラマを手がけた脚本家はあの「太陽の末裔」の脚本をも手がけたキム・ウスクさん。
このドラマは壮大なストーリーの中に様々な要素が詰め込まれていて、重いシーンにハートフルなシーン、そしてコミカルなシーンとをメリハリをつけてうまく表現されています。
1人1人の人物も丁寧に描いていて、主な登場人物はもちろん死神が送り出す一般の死者の物語もしっかりしていて、どの人物も好きになって感情移入してしまいます。
またセリフ一つ一つが洗練されていて、「生」「死」とは何なのか、色々と考えさせられる深いストーリーになっています。
実力派俳優たちの素晴らしい演技力
このドラマに出演するのは「コーヒープリンス1号店」のコン・ユ。「恋はチーズ・イン・ザ・トラップ」のキム・ゴウン。「風船ガム」イ・ドンウクに「星からきたあなた」ユ・インナなど、韓国を代表する俳優陣。
どの役もそれぞれに悲しみをもった切ない役。しかしそれぞれの感情を上手に表現しており、こちらを感情移入させる素晴らしい演技力です。
特にトッケビを演じたコン・ユ。
立っていると背中から非常に重い切なさを感じるのに、彼の佇まいや仕草は非常にゆったりで、声を聞くと心地よくて、不思議な雰囲気を醸し出す唯一無二のトッケビを見事に演じています。
またキム・ゴウンも、どんなに孤独でも必死に、天真爛漫に生きるチ・ウンタクを上手に演じ、観ればみるほど彼女の魅力に引き込まれていきました。
このドラマの俳優陣によって、このドラマにより世界観をもたせ、リアルに感じさせてくれます。
雰囲気を醸し出す美しい描写と音楽
このドラマがそれぞれのシーンがとても美しく、そして洗練されています。
トッケビの気分が天気に反映されてしまうという設定もあって、雪、桜、海、紅葉などを背景にすることで演者の心情を表したりしており、そのどのシーンも細かなところまで映像が美しく、その場の雰囲気を醸し出し、ドラマの世界にどんどん引き込まれていきます。
その上、一話一話のスケールが大きくて本当に映画をみているようです。
そしてまたそんな映像とともに流れる音楽がどの曲もぴったりで、悲しいような幸せなような、少しゆったりして雰囲気のある音楽が美しい映像を彩ります。
ドラマ中に流れる劇中歌(OST)はドラマ放送中韓国の音源サイトで上位をキープするほどの人気になりました。
まとめ
このドラマはまさに韓国ドラマを代表する名作です。
観た人の宝物になるような,そんなドラマになっていると思います。
今を生きる全ての人に向けた、人生に疲れた人々に希望を与えるような、人生が変わるドラマになっています。ぜひ、観てみてください。