「愛の不時着」ではある中隊員が登場します。
キム・ジュモク。
彼は韓国ドラマが大好き。
作中では勤務中に韓国ドラマ「天国の階段」に夢中になり、逃げるユン・セリを逃してしまうシーンがありました。
その後も彼は”韓国ドラマ好き”として登場し、北朝鮮人でありながら、ユン・セリの話す韓国特有の言葉に詳しかったり、ユン・セリが南北が統一したら「天国の階段」のチェ・ジウのサインをあげるなんていう約束をしているシーンがあったりと、熱狂的なチェ・ジウのファンとして登場しています。
こんな夢のような出来事まで訪れたりして、、
そこで今回は、北朝鮮では実際に韓国ドラマを観ることができるのか、キム・ジュモクのような熱狂的韓流ファンが存在するのかについてまとめてみました。
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北朝鮮人は韓国ドラマを観ているのか?
簡潔にいうと、北朝鮮の人々は韓国ドラマを観ています。
あるところで、脱北者100人あまりを対象に視聴頻度を超調査した結果、”韓国ドラマや映画を1年に何度か視聴した”が31・6%と一番多く次に”1週間に1度や2度”が22.8%、”1ヶ月に1度や2度”が26.6%、”毎日観た”という回答が19%にもなっていたそうです。
脱北者の話によると、ドラマに登場するキム・ジュモクが大好きな「天国の階段」も実際にも北朝鮮で人気の韓国ドラマであるそうです。
北朝鮮。
この国は統制が日常の世界であり、外部の流入が徹底された国。
そんな国で、韓国ドラマをみることは実際に可能なのでしょうか?
もし調査のように多くの人が観ていることが本当ならば、その人達は、統制の目を盗んで、観ているということになります。
なぜなら北朝鮮では、外交文化に接すると厳しく処罰されるからです。
テレビを購入するとその地域の保安所に登録をし、朝鮮中央TVに固定されてしまうからです。そのため韓国の放送を観ることは簡単にはできません。
北朝鮮では金正日政権より、外来文化は「資本主義の遊び人のもの」とされ、厳しくブロックされています。ドラマにも登場する宿泊検閲で、もし韓国ドラマを観ていることが取り締まりに見つかってしまった場合、逮捕され処罰、最悪、死刑になる場合もあるそうです。
恵山市での公開暴露集会
2019年7月2日、北朝鮮の両江道恵山市では、韓国ドラマを観た高級中学(韓国の高等学校に該当)の生徒10人を含めた16人が、動員された中学生や住民500人あまりの前で糾弾されるという"公開暴露集会"というものが開かれたというニュースがあります。
連れ出された人は男7人、女9人で、韓国とアメリカのドラマや映画を観た人、コピーをして貸したり販売した人たちです。
この公開暴露集会においては韓国ドラマを健全な本国の社会主義において毒薬のようなブルジョア映像物であり、退廃的で腐った資本主義の幻想を撒き散らしている虚無の宣伝物であると批判されました。
実際、最近でも韓国ドラマを観た人たちがこのように糾弾され、逮捕されているなんて驚きのニュースでした。
しかも、ちょうど「愛の不時着」の北朝鮮の舞台になった場所で起きていた事件だったので、余計に驚きでした。
ここまでで韓国ドラマ、映画を北朝鮮でみるということが容易ではないということがわかったと思います。
北朝鮮人はどのようにして韓国ドラマを観ている?
見つかったたら罪に値してしまうという韓国ドラマを観る行為ですが、そのような危険があっても北朝鮮の人たちは統制の目を盗んでみるなんて、そこまでに韓国ドラマに熱狂的な人たちがいるということなんですね。
では北朝鮮人はどのようにして韓国ドラマを観ているのでしょう。
具体的な視聴方法は2通りあるといいます。
まず1つ目は、韓国の放送を直接視聴する方法。
韓国に近い国境地域などでは韓国の放送を直接視聴することが可能なようです。しかし、北朝鮮ではテレビを購入すると保安署に登録し、チャンネルを固定しなければならない。
そんな中、北朝鮮の人たちは韓国の放送を視聴するために、家に登録されたテレビの他にもう1つのテレビを隠し持っていたり、チャンネルの固定を外し、観終わったあとにまた固定するなどをしているそうです。
2つ目はDVDやノートテル(中国製プレーヤー)などの媒体を用いて視聴する方法。
韓国の放送を直接視聴するのが難しい地域などでは北朝鮮で「アルパン」とよばれるDVDで映像を視聴しているようです。中国から輸入されたEVDプレーヤーというCD、DVDを再生することのできる機器が北朝鮮では出回っているようで、これを用いることによって視聴します。
DVDは市場で購入します。ドラマに登場する韓国の化粧品が売られた市場のようなものですね。
韓国の化粧品と同じように、やはり取り締まりがあるため、むやみに販売取引をすることはできない。販売、購入するところが見つかれば没収、そして死刑になる場合もあります。そのため取引は密かに行われているようです。
まとめ
今回は北朝鮮で韓国ドラマがみられているのかについてでした。
命をかけるほどの危険な行為になってしまう”韓国ドラマを視聴する”という行為。
北朝鮮の人たちがそこまでの危険を犯してまで韓国ドラマを観ているなて、それほど北朝鮮の人々は韓国ドラマや映画に関心があるということですね。
今回でキム・ジュモクのような北朝鮮人が本当にいるということがわかりました。
ということはこの「愛の不時着」も、北朝鮮でも観られているのかもしれませんね。
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